今年観た舞台の感想。9月は日生劇場で『夏の夜の夢』を観劇しました。
自分で密かに考えている今年やりたいことの一つに「生駒ちゃんが出ている舞台を観に行く」というのがあったのですが、ある日Twitterに現れた情報見たらシェイクスピア作品だしそれに加えて生駒ちゃんと髙地くんが恋人役。2人とも好きなのでこれはもう観るしかないじゃん…！とチケットをとったので楽しみにしていました。
日生劇場は数年前に観劇したきりなのでとても久しぶり。今回はぴあ先行と歌舞伎会でチケットを取り、A席とS席で2回観劇しました。最初はA席でほぼ一番遠くの座席で、2回目が一階席で真ん中あたりからだったので全体像を把握→表情も見つつ楽しむ感じの順番で観られました。
舞台セットは森の中で神秘的な雰囲気、全体的に階段状になっていて段差には座布団が置かれ、一番上には鳥居が。上からの角度だと鳥居から登場したり捌けていったりまでは見づらかったけど一気に物語の雰囲気に包まれるようで会場に入って一目見た瞬間好きだなって思いました。階段を上ったり下りたりしながら演技するの体力使いそうだし転ばないかなとか観ていて心配になっちゃったけど、あのセットの中で演じている役者さんたちすごい…。
あらすじ↓
年頃の娘ハーミア(生駒里奈)は青年ライサンダー(髙地優吾)と恋仲。だが、彼女の父はディミートリアス(元木聖也)という男に娘をやりたいと思っていた。ある日公爵テーセウス(中村芝翫)から、父の命に従わないのであれば、死刑か生涯修道院で過ごすことになると言い渡されたハーミアは、ライサンダーと駆け落ちすることにする。ハーミアに恋するディミートリアスは森へと向かい、彼に片思いするヘレナ(堺小春)もその後を追う。
一方森では、妖精の王オーベロン(中村芝翫)と女王ティターニア(南果歩)がお気に入りの小姓をめぐって仲違いをしていた。機嫌を損ねたオーベロンは妖精に、目覚めて最初に目にしたものに恋してしまう「恋の三色すみれ」の花の汁を取りに行かせ、それを塗られたティターニアは職人のニック・ボトム(宇梶剛士)に惚れ込んでしまう。
妻にいたずらをする傍ら、オーベロンはディミートリアスとヘレナを見かけ、無碍にされるヘレナを哀れに思い、花の汁を使うようパックに命じる。しかしパックはディミートリアスではなくライサンダーの目に花の汁を塗ってしまい、目覚めたライサンダーはヘレナに愛を誓い始める。パックの間違いに気付いたオーベロンがディミートリアスに花の汁を塗ったため、二人がヘレナを取り合って大混乱に……一体どうなる！？
『夏の夜の夢』の訳は色々ある中で、今回の舞台の訳は河合祥一郎さん。台詞の独特な言い回しやリズム感、最初は違和感があったけどだんだん心地よく感じてきました。シェイクスピア原作なのでもともとは海外が舞台だけど、衣装や演出には和の要素や歌舞伎っぽさが多く取り入れられていて、親しみやすさがある世界観で違和感なく観られました。
街の雑踏や電話の音が鳴り響く中で開演し、「夏の夜の夢一座」が登場して劇中劇『夏の夜の夢』を演じるという構造になっている舞台。さらにその中でも劇中劇が展開されていて、いくつも重なる構造の中で物語が展開されているのが面白い。観ているこちらも世界観に引き込まれて夢を見ていたような感覚で観劇を終えました…。
物語の進みから大きく分けて妖精、若者、劇中劇とチームが分けられる感じだったけど、生駒ちゃん（ハーミア）、髙地くん（ライサンダー）、元木くん（ディミートリアス）、堺さん（ヘレナ）の若者4人組のパワフルな演技がすごく良かった。この4人の登場シーンはとにかく動きが多く、段差のある舞台の上を駆け回ったり、言葉をぶつけ合ったり、これやるのすごく疲れるだろうな…って思うくらいの熱量の多さ。本人たちは真剣に言い合ってるんだけどその中にもくすっと笑えるような要素が沢山で、アドリブも多かったのかな？楽しく観られました。本人たちが真剣であればあるほど観ている方は笑えてくる。それぞれのカップルでいちゃいちゃしてるのも可愛かったな…。
最初にも書きましたが念願の生駒ちゃんの舞台観劇。美しさがありつつヘレナに対してキレて暴れるシーンは可愛くもあり。キリっとした眼差しや佇まい、声がすっと通って、やっぱり舞台映えするなあ、もっと生駒ちゃんの出る舞台観に行きたいなあ…と思いました。髙地くんは最初の台詞のはっきりとした発声が印象的でした。ハーミアに一途な様子から、惚れ薬の効果でハーミアに対して暴言をいう荒々しさの正反対な感じ、どちらも良かった。あと、ヘレナに惚れた時にヘレナの動きをにこにこで真似してるのが可愛かったです。元木くんは、生で観るのは多分テニミュ以来かな？なのでとても久しぶりだったんだけどアクロバットが観られるシーンもあって嬉しかったし、堺さんのことは失礼ながら今まであまり存じ上げなかったんだけど長い台詞で思いの丈をぶつけるヘレナにすごく感情を動かされました。
実際に年齢が近い4人、SNSだったりでチームワークの良さやどんどん仲良くなっていく様子を見ることができて良い仲間と出会えたんだなあ…と。最初に観た時よりも2回目の方が回数を重ねてパワーアップしていたように感じました。
南果歩さんが演じた妖精の女王ティターニアも高い声で笑ってはしゃいでいる感じが可愛くて、2回目に観に行ったときのカーテンコールでは南果歩さんと髙地くんがスキップしながらるんるんで登場したのがとても好きでした。
他のキャストさん達も笑顔で楽しそうで、ベテランから子役まで色々な世代が混じったカンパニーだけどそれぞれが影響し合い良い関係性でこの舞台を作り上げたんだなと思って、観られてよかったなあ。
