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増田貴久くん主演ミュージカル『ハウ・トゥー・サクシード』感想

 

2021年11月20日~12月7日まで東急シアターオーブにて開催された増田貴久くん主演ミュージカル「ハウ・トゥー・サクシード」東京公演を観劇しました。もう2ヶ月ほど経ってますが記録として残しておきます。

 

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2020年の公演から約1年後の再演。また公演してほしいなとは思っていたけどこんなに早く観られる日が来るなんて…。

今回はFCチケットと当日券で2回観にいきました。日程的にも行ける日そんなになかったので本当は1公演だけ観に行くつもりだったのですが、Twitterで観に行った方々の感想観ていると早く観に行きたい、一回じゃ足りないかもしれない…と思い始め、キャンセル待ち当日券を取りました。キャンセル待ち当日券は前日に電話して番号を伝えられる→当日開演40分前くらいに集合し番号順に列に並ぶ→開演10分前くらいにチケット購入、という流れでした。キャンセル待ちで行くの初めてなので入れるか心配でしたが、思ったよりもスムーズにチケットが取れたので安心しました。

座席は1回目は1階S席後方のセンターあたりで舞台全体が見える席、2回目は1階1桁台の列で細かい部分まで観られる席だったので全体→部分と良い順番で観ることができました。

前回は一般抽選でチケット取って劇場の一番遠くから観ていたから仕草とか表情とか大事な部分を見逃しがちだったのが残念だったので、今回は表情の変化までしっかり観ることができて満足。

 

去年はコロナ禍の中、いつ中止になるかも分からないと不安な気持ちで感染対策も万全にして観に行って、でも増田くん念願のミュージカルの幕が開けたことに安心し、素敵なカンパニーの真ん中に立っている増田くんを観て感動して…という感じだったのですが、今年は(まだ油断できないけども)もうちょっと気持ちに余裕ができてとにかく楽しみ!という気持ちで観に行けました。

満員の客席に大きな拍手、ご時世的に我慢はするけれども時々漏れる笑い声。ステージと客席の一体感があり良い雰囲気でした。明るくて楽しくて、去年よりもパワーアップしてるな〜!と感じました。

 

『ハウ・トゥー・サクシード』のあらすじは以下のとおり。(公式サイトより引用)

ビルの窓ふき清掃員フィンチ(増田貴久)は、ある日「努力しないで出世する方法」という本を読んで感化され、出世を強く意識するようになる。“入るべきは大企業”という本の教えに沿って、ワールドワイド・ウィケット社に飛び込んだフィンチは、偶然出会った社長のビグリー(石川禅)に直談判。そんな彼を一目で気に入った秘書のローズマリー(唯月ふうか)は友人である秘書のスミティ(林愛夏)とともに何かと世話を焼く。人事部長のブラット(黒須洋嗣)に社長の関係者だと勘違いされたフィンチは首尾よく入社、トゥインブル(ブラザートム)が郵便室長を務める郵便室に配属される。そこには社長の甥で出世を狙うバド(松下優也)がいた。本の教えに沿って行動するフィンチは、社長秘書のミス・ジョーンズ(春野寿美礼)にも気に入られ、ヘディ・ラ・ルー(雛形あきこ)という専属秘書も付き、出世はトントン拍子。ローズマリーとの恋も上手く運んで、全てが順調…だったある日、重大なアクシデントが発生。果たして、フィンチの幸運もこれまでなのか…!?

 

ストーリーはうろ覚えの部分もあったけどすでにおおまかな流れを知っていることによって世界観に入り込みやすかったかな、と思います。

1961年にブロードウェイで初演、日本でも何度も上演されているこの作品。舞台は1950年代のアメリカ、文化的背景も時代背景も自分の経験してきたものとは全然違い、仕事に対する価値観も合わない部分や分からない部分は多いのですが、もともと当時の社会を皮肉る意味合いを込めて作られた作品ということでそういうところも頭に残る音楽で楽しくコミカルにパワフルに演出されていて面白く観られました。(パンフレットに時代背景についても詳しく解説されていました)

 

増田くんが演じた主人公フィンチは打算的で狡賢いところがあって、同じように出世したい人たちにとっては驚異的な存在だし共感できるような人ではないんだけど、可愛くてかっこよくてその魅力に周囲が惹きつけられるようなキャラクター。

窓拭きの仕事の黄色いつなぎ姿で「僕はできる!」と自信に満ちた台詞から始まり、「努力しないで出世する方法」という本に書かれている通りに物事を進めてどんどん出世していくフィンチ。上手くいったときにスポットライトが当たってにかーって笑顔になるのがとても好きで、この表情をちゃんと肉眼で観たい、と思っていたので観られてよかった…。

郵便係の「会社の望むまま」では判を押したり手紙を仕分けたりする動作をリズムに合わせてコミカルに歌っていて、観ていて楽しいしメロディーがすっごく頭に残ってつい口ずさんじゃう。

母校を偽って社長と意気投合して歌う「我がオールドアイビー」では最初はビグリー社長の振りをチラチラ確認しながら歌っているところからどんどん自分のものにしていってパワフルな歌やダンスが見られたし、シマリスの顔マネ?が絶妙で可愛かったです。

明るかったりコミカルだったりする曲が多い中で、鏡の前で自分の姿を見つめながら歌う「君を信じてる」は雰囲気がまた違くて印象的でした。これまでの飄々した感じとは一転して真剣な表情で、フィンチって掴みどころのないキャラクターだなと思っているけど、ここでは本の示すとおりではなくフィンチ自身の意思に触れられている、本来のフィンチを見ることができている感じ。

そしてフィナーレ。自分が提案したことが失敗して最大のピンチに陥ったところからほんの少しのチャンスを見つけ、会社の役員をどんどん巻き込んでいく「世界はひとつ」はとにかく迫力があって熱量がすごかったです…!すごくハードなダンスだと思うけど息ぴったりで、最後のやり切った、充実した表情が素敵。「世界はひとつ」と「我がオールドアイビー」での客席の拍手がすごく長くてびっくりしました。

ラストのシーンではこれまで前髪を下ろしていたフィンチが前髪をかき上げて登場していて、雰囲気が変わっていてかっこよかったです…。

終演後にはフィンチの声で「規制退社」のお知らせもあり、劇場にいる間ずっと『ハウ・トゥー・サクシード』の世界観に浸っていられるのは良かった。

上演中はもちろん、カーテンコールも、終演後までずっとフィンチとして存在していて、増田くんを観に行っているというよりはフィンチを観に行ってる感覚。それだけ増田くんがフィンチとして生きるのを大切にしていると思うし、キャラクター的にも役にすごく合っているな〜、と感じました。

あと増田くんて割と体格良い方だと思うけど、他の出演者さんたちと並ぶと身長差で小さく見えてちょっと小動物感があって可愛かった。

 

他のキャラクターもそれぞれ個性があって素敵でした。

松下優也さん演じるバドは、去年よりも振り切れてアホな子って感じでとっても面白かった!嫌なやつではあるけど憎めない感じで発言する度に笑っちゃいました。松下さん、これまでに観てきた出演作の感じからクールなイメージがあったんですが、一気にそのイメージが変わりました。役者さんってすごいなあ…。バド、最後は会社からいなくなっちゃうけど、「最近真面目にやってきたから渡せる賄賂がない」、と言ってたのがちょっと切なくなっちゃった。

 

今回初参加の唯月ふうかさん演じるローズマリー。全身でフィンチが好き!っていう雰囲気で恋する女の子感が強くて可愛かったです。小さくて華奢でとってもキュートで、ピンクの衣装も良く似合う。髪をおろしていたりアップにしていたり、衣装も何種類もあって可愛かった…。ローズマリーはフィンチのたった一つの言動で喜んだり傷ついたりしてるのに、当のフィンチは仕事に一直線でそんなことに全く気付いていないし、他の人とのキスでローズマリーへの恋心に気づくって、罪な人だな…。

 

前回から好きな林愛夏さん演じるスミティ。前回公演とは名前のイントネーションが変わってたのかな?アクセントの位置が「ス」から「ミ」に変わっていた気がする。やっぱり歌声が素敵で声量もあって、今回もとても惹かれました…!「コーヒーブレイク」の激しいダンスは見応えあるし、「長い一日」ではフィンチとローズマリーの恋をはりきって見守る感じが可愛くて好き。「パリオリジナル」ではローズマリーに引っ張られたドレスの長いリボンを手に持って、腰に巻きつけて歌うのもキュートで、フィンチが出ていない時はずっとスミティを目で追っていました。上司の前でおやつのドーナツを隠してるのもとっても可愛い。

 

雛形あきこさん演じるヘディは実際に近くにいたら厄介だな〜と思うような人だけど、ポンコツ感があってぶりっ子してる感じが可愛かった。そして美しい。雛形さんは「歌が得意ではない」と話していたけど、ちょっとたどたどしい感じがヘディというキャラクターに合ってるな〜と思いました。

 

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パンフレットの表紙が可愛い。舞台セットもレトロでパステルカラーっぽくて好きな色味でした。男性陣がスーツで黒とかグレーとか落ち着いた色な一方で秘書の皆さんのカラフルなワンピースやブラウス、スカートが華やかで素敵でした。レトロなワンピース大好き。わたしもああいうコーディネートで仕事してみたかったな〜。

 

約3時間、ステージ上の熱量を感じられ、とにかく楽しくて面白くて幸せな時間を過ごせました。「僕はできる!」と前向きな一言から始まるストーリー。それを体現してくれる増田くんとフィンチ。素敵なカンパニーの中でフィンチとして生きる増田くんを今年も観ることができて良かったです。また観られる日がくるといいな。

 


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